お知らせ

2021-05-10 10:44:00
水玉と網目とかぼちゃ

米子市美術館で開催中の「草間彌生展」に行ってきました。一昨年瀬戸内海に浮かぶ「直島」で巨大なかぼちゃの彫刻作品を初めて見た時、その迫力と存在感に圧倒されました。今回の催しでは2階の展示室にかぼちゃの作品だけを集めた展示がありとても素晴らしかったです。そこには直島で見たものとは全く違う印象のかぼちゃの作品が沢山あり、草間彌生の魅力を再発見しました。彼女は幼少期より総合失調症に悩まされ、幻覚や幻聴と対峙するためにスケッチや絵画を描きはじめたといわれています。水玉と網目模様を描いている間は症状が和らぐことから、彼女にとって水玉や網目模様は病から身を守るおまじないのような意味合いがあるそうです。苦しい病と戦いながら前衛的な芸術活動を通じてあらゆる抑圧からの解放と世界平和を訴え続ける草間彌生は現在92歳、今も精力的に創作活動を続けています。魅力あふれるかぼちゃの作品の数々は、愛情深くてチャーミングな草間彌生自身のポートレートのようです。

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2019年10月直島にて